人生で2回だけ、人から名前をつけてもらった経験がある。
1回目は生まれた時に兄がつけた。
2回目は特典会でぺいちゃんに「こまつなえ」とつけてもらった。ツイッターのアカウント名を「名無し」から変更し、アイドルを好きでいる時にその名前を名乗ることになった。今も使っている。
私が「こまつなえ」になってから、そろそろ1000日くらい経つらしい。
最初は違和感しかなくて「私はこまつなえなのだろうか……」と思っていたけど今はしっくりきている。
知らない間に、筆村さんもひがさんも私が「こまつなえ」だと認識していた。
「こまつなえ」もあだ名ではあるが姓・こまつ、名・なえのようになっていて、ひがさんは「こまっちゃん」と呼ぶようになっていた。
彼の中であだ名がさらに変わっていったんだと思うと、なんだかくすぐったい気持ちになる。ちょっとは仲良くなったって勘違いしてもいいんじゃないかなって思いたくなる。それくらい嬉しい。
アイドルとそのオタクの前でしか名乗らないけど、紛れもなく私のことを示す「こまつなえ」という名前が好き。
先日、オンライン特典会のワイドチェキが届いた。
いつも「こまつなえ」と書かれているのに、小さな文字で「なえ」と書かれていた。苗字無しじゃんと思った。最初誰が書いたかわからなくて、今まで書いてもらってきた名前と見比べたりした。
「なえ」ってアイドルからあまり呼ばれないので、その二文字が妙に新鮮だった。し、姓ではなく名前で書かれていたことに距離が少し近くなったというか。おこがましいけど。
会えていないから、なおさら嬉しかった。
最近は「こまつなえ」よりも「私(本名)」ばかりの生活で。いくらアイドル好きだ〜と思ってもただ一人で壁打ちをしている気分で、それは「私(本名)」でしかないと思った。
「こまつなえ」って私一人がいればいい名前ではなくて、アイドルがいて、アイドルが私をそう呼ぶからこそ名乗れる名前なんだなって気がついた。そう思うとなかなかライブに行くタイミングがなくなってしまったことで「こまつなえ」がどんどん消えていくような気持ちになって若干焦燥感を覚えた。
でもチェキの小さな文字を見て「会えてなくても私ってなえなんだ」って思った。
特典だから書いてくれて当たり前だけど、なんか、なんか「なえ」って書いてあることが嬉しかったの。
夜寝る前とかにそのチェキを寝転びながら見ちゃう。
部屋の電気を消したらチェキに書いてある「なえ」が見えなくなることになんだか名残惜しくなってしまって。毎日名残惜しい気持ちで布団に潜って、小さな文字で書かれた私のもう一つの名前をなぞって、小さな電気をつけたまま枕元に置いて眠るんだなぁ。
私がアイドルを好きでいられて、アイドルが活動をしてくれていて、私のことを「こまつなえ」と認識してくれるからこそ私はなえでいられるから、1000日と言わず2000日、3000日、これから先も私をこまつなえにして。
一人だと名乗れないので。