【夢日記】天国の壁

4/20に見た夢が超怖かったけど鮮明に覚えているので記録。

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「天国の壁」という場所があって、その壁の向こう側を知った人は人生で感じたことのない快楽を得られるという。

その壁に行くには立ち入り禁止の森を抜けないといけないらしい。
しかし、森へ入ると迷って出られなくなるという噂もあった。その話を聞いた者は皆、“快楽を得る”ことよりも“怖さ”が勝っていた。
そのため「天国の壁」を見た者はいない。


ある日、友人がその森の中へ入っていってしまい、何人かで探すことに。

「あなたまで行方がわからなくなったら困るから」と縄を胴体に括りつけて、森の奥深くへと進むことになった。

途中、不法投棄されたゴミが所々に落ちていた。

「ゴミを捨てる人がいるから立ち入り禁止なのかな」

そう思っていると、見かけない若い5人のグループと出会う。

「友人を探しています。見かけませんでしたか?」

聞くと皆、一斉に森の奥深くを指さす。

「天国の壁を探しているんだと思う」

「僕たちも行ったんだ。そして見つけたんだ。すごく高い壁で、怖かったんだ。でもまだまだ足りない、足りないから怖いと思うんだろうな」

と口々に話し、去っていった。

何が足りないのか教えてはくれなかった。どこか“あなたは我々とは違うだろう?”と、一線を引かれていたように感じる。

そのグループのひとりの女の子が引き返してきた。私にこう告げた。

「まだ何もしていないなら、帰った方がいいです」

「え?」

「あなたは、この森で袖を捲ることができますか? 私はできませんでした。日焼け、虫刺され、切り傷、その可能性があるからです。あなたもその可能性があるから腕捲りしないんですよね?」

「えぇ、まぁ、虫も苦手だし」

「私もあなたと同じだったんです。それが正常な判断です。でも私はもう腕捲りしないと、ダメになってしまいました。私はこの森から抜け出せません。あなたはもう帰った方がいい。お友達は、私が探します」

そう言って彼女はグループを追いかけ消えていった。私はその時に戻ればよかったものの、戻ることすらも怖かった。その場の“恐怖”から私は逃げたかった。腕まくりしないよう、長袖の端っこを手で持ち腕が外に出ないようにしながら早足で森の奥に進んだ。

 

捜索を始めてから20分くらい経つ頃だろうか。探していた友人が座り込んでいた。少し震えていた。

「大丈夫? 立てる?」

「天国の壁を見た。すぐそこにあるの」

私の問いかけにそう答えた友人は顔をあげた。涙を目にいっぱい浮かべながら話し始めた。

「あのさ、実はみんなに言えなかったことがあって。私ね、心の奥底から、あー生まれてきてよかったって思えるような、出来事がほしかったの。でも全然うまくいかなくて、私、人生を、どうしたらいいかわからなくなっちゃったの。こんな人生なら、森に迷ってしまったほうがいいやって思った。それで運良く、“天国の壁”を見つけて快楽を得られれば、何か変われるんじゃないかって、きっかけになれたらいいなって、そんな気持ちでここに来た。

……あのさ、道に落ちているゴミ、あなたはどうした? 」

ここに来るまでにたくさん落ちていたゴミ。足元に落ちていたプラスチックの塊。

「私、悪い事だとわかってるのに、使っちゃったの」

大量に捨てられていたその塊は注射器だった。

 

「気分が良くなるんだと思った。実際、私の体は軽くなって、地面から足が浮くような気持ちになった。いや、実際浮いていたんだと思う。だから私“天国の壁”を見つけることができたんだと思う。あのね、あの壁は、全部、注射器だったの。その壁の向こうは、宇宙に繋がっていて、そこに注射器を捨てていたの。みんな、あの壁の向こうに注射器と『注射器を使った記憶』すらも捨てているんだと思う。だから『快楽』だけがみんなに残っているの。私は捨てられなかった、怖かったから」

友人は腕まくりをしていた。腕には赤い斑点があった。

さっき出会った『もうこの森から抜け出せない』と言っていた女の子を思い出した。友人はもうこの森から出られないのだろうか。でも、私は置いて帰るほうがよっぽど怖かった。

「帰ろう。体に縄を結んで来たの。この縄を伝って歩けば帰れるから。戻ろう」

泣きながら頷く友人と手を繋ぎ、縄に手を取った。縄を巻取りながら来た道を戻る。

すぐに縄の端にたどり着いた。端には、5人グループがいた。全身の血がひいていくのがわかる。本能が「会ってはならない人物たち」と訴えかけてくる。恐怖が全身に絡まり動けなくなった。

 

「“天国の壁”の向こう側、見た?」

 

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というところで目が覚めたーーーーー。怖かったーーーーーーーーー。マジで怖かった……。友人って言ってるけど誰なのって顔していた。夜寝る前にホラーゲームをちょっと見ていたのと、星新一ショートショートを思い出していたことと、進撃の巨人を見ていたことが原因と思われる夢だった。

様々な種類の『恐怖』が混在する夢だったな……。

あと注射器が落ちているのに気がついているけど、関わったりするのが怖かったから見ないふりして歩いていったのもリアルだった。はぁ〜〜怖かった。